地震と洪水で土砂に埋まったカヤック救出の話である。
カヤック釣りの相棒、貫二さんと昨夏に一度救出しに行ったものの、乾いた土砂は硬く、スコップでは歯が立たず、なんせ暑かった。涼しくなってから鶴橋でも持ってきて再度挑戦しようと話していたものの、お互いの仕事もあり、タイミングもなかなか合わず、それがいつになるかわからない状況だった。
そこに助っ人が現れた。震災後、地元三井町の「藁葺き庵」を拠点にして山や町の復興に従事する若者たち「復興ラボ」の面々である。メンバーの一人Yさんは個人的にも繋がりがあり、釣りの好きな若者だが、彼が中心となって仲間たちとカヤックの救出に乗り出してくれたのだ。
人海戦術は素晴らしい。鶴橋で硬い土砂を崩し、それを掻き出しミノに入れて外に運び出す。この一連の流れ作業は一見地味で捗らないよう思えるが、少しづつ粘り強く継続することによってついに目標に辿り着く。そうして見事三艘のカヤックは掘り出され、運び出された。10時から始まり、12時半には終了したのだった。
一艘はすぐに使えるが、後の二艘は船の一部が土砂の重さに潰され、修復が必要な状態だったが、それもレスキューのおかげで分かったことだった。
ともあれ、若き助っ人たちのおかげでカヤックフィッシング再開へと道は開いたのである。
復興ラボの皆さん、本当にありがとうでした。みんなの熱い思いと優しい心根に励まされ、私の心も熱くなりました。
いつか一緒に釣りをやりましょう。