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3月9日はばあさん(母)の97歳の誕生日だった。
あれだけ強かった足腰が弱って随分となるが、昨年の夏以降は全く自力で立ち上がれなくなった。 痴呆も徐々に進んで要介護レベルは4に認定され、おしめの始末や身の回りの世話はもっぱら連れ合いがやってくれていたが、立てなくなってからは私にも出番がやって来た。 椅子に座らせたり、ベッドに上げたり、簡易バスタブでの入浴など連れ合いひとりでは無理になったのだ。 ばあさんの肉体は枯れるどころか今だ生々しく重いのである。まして不安から身体を預けられず突っ張るのでなおさら重い。 筋肉には多少の自信のある私でさえやっとなのである。下手をすればこちらまで腰を悪くしそうな按配だ。 昨年暮れ、山口、九州での仕事で一ヶ月家を留守にした。その間初めて訪問入浴介護サービスというやつを受けてみた。 連れ合いからのメールでそのサービスの素晴らしさは知っていたが、正月開けの3度目のサービスに立ち会い、プロたちの仕事ぶりに驚かされた。 その様子はブログに詳しい。(感動!訪問入浴看護サービス) これまで介護施設に預ってもらうことなど考えたこともなかったが、自力で立てなくなってから少しづつ考えるようになった。 私は仕事で家を空けることが多いが、その間、どうするのか?ということである。 連れ合いも昨年心臓を患い、無理の出来ぬ身体だ。 また訪問入浴看護サービスでのプロたちの仕事ぶりに感心したこともある。 家で死ぬまで一緒に暮らそうと当たり前のように思っていたが、それが徐々に難しくなって来た。 そこで地元のケアマネージャーさんに相談してみると、一度ショートステイをしてみようということになった。 ショートステイというのは一週間預かってもらうコースだ。まずはばあさんの反応を見ること、ひょっとして家にいるより彼女に何かが開けるかもしれない。 そしてプロたちの仕事ぶりを見ること、きっと学ぶことは多いだろう。 またなにより長年世話をしてくれた連れ合いの気分転換と休息になる。 二日前から冬が舞い戻り雪が降り続いた。 一度融けた雪がその日の朝は20センチ積もった。ばあさんの真っ白な誕生日。 奇しくもその日がショートステイの入所日だった。 ハイエースを山の下まで持って来て、降りしきる雪の中、ばあさんを背負って山を下りた。 のけぞると危ないので紐で上半身をくくりつけ背負った。今日のばあさんは格別重かった。 一瞬、石川啄木の例の詩が脳裏をよぎる。 「戯れに 母を背負いて そのあまり 軽ろきになきて 三歩あゆまず」 しかし、我が母は枯れてはいないようで、生々しく重いのである。 雪を踏むとぎうぎう鳴った。一度雪に滑りそうになるがなんとかこらえた。息が切れた。 下り道、たったの50メートルが遠く感じられた。 地元の介護施設あての木園に到着するとスタッフたちが優しく迎えてくれ、ばあさんを車椅子でショートステイの空間に連れて行ってくれた。 周囲には沢山のご老人たち。新入りの我々に視線が集まった。 ちょうど昼食の時間で我がばあさんもみんなと一緒に食卓に着く。 眠っていた彼女を叩き起こし連れて来たのでまだ半分眠っていたが、食事が目の前に運ばれて来ると目を覚まし、早速箸をうまく使って食べ始めた。 メニューは好物の肉系だったせいか、その食いっぷりの良さにスタッフたちも驚くほどだった。 頭と足腰はめっきり弱くなったがもともと食欲旺盛で元気なのである。 しかし、家と施設の区別もつかないほどいつものように、何事もなかったように、あっけらかんと飯をぱくつく彼女にそれまで考えたり思ったりしたことが軽く吹き飛ばされるようであり、ホッとしたのだし、また可笑しかった。 昨夜はしっかりと寝ることができたらしく、マネージャーさんが「また来るね」と言ったら「また来んさい」と元気な声で言ったそうだ。 「来んさい」はばあさんの故郷広島の方言である。 ばあさんがいない間、我々は彼女の部屋を整理整頓、掃除して綺麗にした。 要らないものを片付け、使わなくなった冷蔵庫や食器棚を運び出し、低いベッドを新調した。 シンプルになった部屋は陽光燦々と降り注ぎ、我が家で一番いい部屋になった。 そして、一週間後、ショートステイは終わり、ばあさんを迎えにいった。 あっという間の一週間で、その間の施設暮らしがばあさんにとってどんなものだったのかよく分からないが、 少なくともこちらが想像したような面倒な問題はなかったようで、案外規則正しくやっていたらしい。 迎えにいっても特別嬉しそうでもなく普通の顔だった。 気がかりは雪解けのぬかるんだ山の上り道を彼女を背負ってうまく運べるだろうか、ということだったが これも案外うまくいった。 おりる時と同じく、のけぞらないよう彼女の上半身を私に括り付けたが 彼女も少しはおんぶされる要領を得たのか私の首にしがみついてくれた。 また、上りは滑り落ちる危険が少ないぶんかえって楽かもしれない。 すっきりと明るくなった部屋を、どこに来たのだろう?というようにキョロキョロ見回しながら好きな甘コーヒーを美味そうにすするのだった。 ショートステイ、我々にとっての新しい体験だったが、いろいろと発見もあり意義深いものとなった。
by gorosuke85
| 2017-03-17 15:47
| 家族
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Comments(2)
文章で伝えるのは難しいのですが・・・。
山でタンカがない時に、カッパの上着を使って怪我人をオンブでの搬出方法。 (簡易オンブ紐) 1。上着の裾の両端を丈夫な紐で繋ぐ。 2。カッパと裾を繋いだ紐の間におばあちゃんを立たせ入れる。 3。カッパの袖をおばあちゃんの脇から通し、 4。担ぐ方の肩に回す。 5。介助者におばあちゃんを持ち上げて頂き、 6。担ぐ方の背中に乗せる。 7。カッパの袖をクロスさせ、 8,裾を縛った丈夫な紐に連結させる。 これで担ぐ方の両手は自由になり、 自身の安全も確保され、両手ストックなど補助道具も使えるようになります。 一目瞭然。 与呂見へ行って実践出来れば簡単にマスターできるのと思うのですが ちょっと考えてみますね。
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Commented
at 2017-03-25 09:45
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