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ヒョウモンチョウが草の上をバタバタと飛んでいた。 いや、飛んでいたというより、バタバタと歩いていた。 羽も片方が千切れていて、もう成虫になっての大仕事である繁殖も済ませ疲れ果てて死んでしまうのだろう。 と、思ったが、よく見るとそうではなかった。 片方の羽は千切れたのではなく、生まれながらの変形だった。 要するにこいつ、身体障害者ならず、身体障害虫なのだ。 遺伝子に由る先天的なものか、羽化時に何らかの事故があったのか 知る由もないが、確かにハンディキャップを負ったヒョウモンチョウなのであった。 自由に空を飛ぶことも出来ず不憫なやつ、と哀しくもあるが 顔をじっと見ると、別に不憫な様子もなくあっけらかんとした普通の蝶の顔なのであった。 当たり前のはなしか。 虫たちは人間と違って、「絶対」の世界を生きている。 自も他もなく、いいも悪いもない。幸福も不幸もなく、勿論、生も死もない。 ただ、今という瞬間を生命のままに、生々しく生きているだけである。 世界(自然)は自分であり、自分が世界である。 世界とひとつに生きている。 それが「絶対」の世界。 人間たちは大脳が大きくなりすぎて、困った存在になった。 言葉を作り、想像し考え、いろんなものを創り出した。 それは素晴らしいことだが、お陰で「相対」の世界に生きることになった。 自他を比べ、ひたすら自分を守り、いい悪いの尺を作り、成功、失敗という結果に振り回される。 やがて欲が欲を生んで戦争を起こし、、自然を破壊し、地球にとって癌細胞のように自己増殖をしてゆく。おまけに原発など作ってしまった。 仏教は「生きることは苦である。」というのが前提であり、どうもそれは真実のようである。 その人生の苦の根っこの原因は、この世に生まれ人間としての自覚を持った時、すでに「相対」の世界に生きていることにあると思える。 いいも悪いもなく、生も死もない。何にもない「無」を説く「般若心経」は絶対に還れと説いているように思われてならない。 しかし、我々人間は虫にはなれない。 言葉や知性をもったまま、自我を持ったまま、人間のままで 虫たちと同じ生命の故郷に時々帰ってみてはどうか、 と呼びかけているのかもしれない。 閑話休題、 確かなことは、このヒョウモンチョウは自らの持てる力の渾身で生きているのであって ただ生命の限りを生きて死んでゆくのであり、 私の人間的な情など差し挟む余地もないのだが、 ふと、 9歳で逝った我が長男海ちゃんのことを思い出したのだった。
by gorosuke85
| 2016-07-15 09:05
| 虫たち
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