ふと気がつくと、アルちゃんが毛布から半分出ていた。
このところの急激な陽気で這い出たが、
また寒くなり
あんら、間違えたかと、再び毛布に潜ったと見える。
2度寝である。
しかし、振り返ってみれば、例年、啓蟄の頃に目覚め
決まったように一度毛布から這い出たものの
まだ早いと再び毛布に潜り、
その後、本格的に出て来るわけで、2度寝はいつものこと。
春先の2度寝は気持ちがいい。
私も屋根裏の寝床で目覚め、ほんわかとした布団の温もりからすぐに出る気にならず、
窓の外を眺めたり、今日は何をしようかと思いを巡らしたりしているうちに再びウトウトと眠っちまう。
至福のときでもある。
アルちゃんの2度寝は一週間くらい。冬眠状態とは違ってなにやらゴソゴソしている。
半年間の冬眠の仮死状態から身体中の細胞を目覚めさせ、活動を始める準備をしているに違いない。
その一週間、どんな感じなのだろう、私と同じような気持ちよさを味わっているのだろうか、
なんて想像してみる。
ともあれ、いつもより半月早い目覚めである。
鰆が釣れたり、アルちゃんが冬眠から覚めたり、
まだ真っ白の景色だが、
春がそこまでやって来ている証である。