田植え前の田んぼの畦に白い小さな花があった。
1つは白いスミレであるツボスミレ。
もう1つは一見ハコベのようだが葉の様子がちょっと違う。
帰って調べてみるとノミノフスマというらしい。
漢字で書くと「蚤の衾」となる。
衾というのは夜具のことである。
葉っぱが小さいので、蚤がそいつを夜具にしたのである。
夜具と言っても敷き布団か座布団程度に使うのだろう。
蚤がこの葉を敷き布団にして、その上で寝ている姿を想像してみる。
ふむ、微笑ましい。
こんな命名の仕方は好きである。
だが、花は星のようである。
オオイヌノフグリが青く輝く一等星ならば、
こいつは白く瞬く小さな星々である。
野の花の生きて息づく白ほど美しい色はない。
『春深き 野花の白に 言葉なし』