カンちゃんと早朝の散歩に出た。
坂田の村へと続く山道コースである。
歩きながら、道端のあちこちに点在する白い塊が目に入る。
地面に蜘蛛が小さな巣を張っているのだ。
巣の中心に穴があり、そこに小さな主が控え巣に獲物が引っ掛かるのを待っている。
だけど巣には獲物ではなく、朝露が引っ掛かってキラキラと輝いていた。
『蜘蛛の巣に 露玉光る 春の朝』
でも、沢山の巣の中のひとつにバッタの子が引っ掛かりもがいていたが、
なんとか蜘蛛が近づく前に脱して難を逃れたのだった。
『バッタの子 早く逃げろや 蜘蛛がくる』
この小さな蜘蛛の名前は分からない。