
珍客現る。
いつの間にか家の中に入り込み
知らんぷりして連合いの背中に止まっていた。
トビナナフシである。
何年ぶりであろう、実に久しぶりである。
前足をぐうっと伸ばし、ぎこちなく歩く。
怪しい目つき、ヘンテコな顔。
不思議な存在感。
こんなやつがこの世に存在すること、
そして、今、ここにいること。
愉快な大事件なり。
ナナフシはコノハムシ科の昆虫である。
外敵から身を守る武器を持たず
ひたすら枝のふりをして身を守る。
それを擬態というが、可笑しいのは
葉っぱに産みつける卵まで樹木の種子そっくりだということ。
徹底している。
日本にナナフシはいろいろいるが
こいつは特別、羽根を持ち飛ぶんである。
実際飛ぶところは見たことないが
この小さな羽根で意外とよく飛ぶらしい。
どんな風に飛ぶのか、
ナウシカに出て来る大王ヤンマのように飛ぶのだろうか?
一度見てみたいものだ。

部屋で写真を撮らせてもらった後、
窓から、こいつの好きなコナラの葉の上に帰してやった。
ひょっとして飛ぶかなと思って暫く見ていたが
ゆっくりと葉や枝を移動するだけで
飛ぶことはなかった。