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![]() 玄関の開き戸の鍵穴に何かがいた。 よく見ると青虫であった。おそらく蛾の幼虫だろう。 しかし、動く気配はない。 で、気がついた。 これは狩り蜂の仕業に違いないと。 ジガバチかドロバチ、或はトックリバチか。 これからこの青虫に卵を産みつける筈だ。 卵が孵ると幼虫はこの青虫を餌にして成長するのだ。 ![]() 20年前、ファーブル昆虫記の文庫本全21巻を古本屋で見つけ、買って来て一夏をかけて一気に読んだ。 古い翻訳で読みにくかったが、面白かった。コーフンしながら頁をめくったのを今も鮮烈に憶えている。 ファーブルといえばフンコロガシが有名だが、私はそれよりジガバチの話が面白かった。 ジガバチは青虫を捕らえ自分の巣穴に運び入れ、青虫に卵を産みつけるのだが、 そのためには一つ問題があった。 青虫をそのまま捕まえて卵を産みつければ、青虫が動き回って卵が踏みつぶされてしまう。かといって殺してしまえば、卵が孵る頃には腐ってしまい餌にはならない。 で、ジガバチはどうするか? 青虫を生かさず、殺さず、生殺しの仮死状態にするのである。 そのために青虫の神経節のある一点に毒針を打ち込み、全身を麻痺させるのである。 全身麻痺をさせるのはその一点だけなのだが、間違えることなく一発でそれをやってのけるんである。 動くことの出来ない青虫は腐ることもなくじっとして、やがて孵った幼虫の餌になるわけだ。 ファーブルは神経節の一点をどうして知っているのか?考える。 ハチがいろいろやっているうちに発見し、学習し、それを子供に教え、そのうち遺伝子に伝わり、徐々にこの種全体が知るようになったのか、いやそうではない。 この種が登場した時、既に本能として知っていた。それ以外に考えられなかった。 それらの緻密な観察からファーブルはダーウィンの進化論を疑うのである。 さらに不思議なことは卵から孵った幼虫が青虫を食べるのに順序があるらしい。致命的なところを避けて、なるべく早く死なないように食べるわけだ。 幼虫はそれを知っている。親が教えたわけじゃない。 本能である。 誰が、このような本能を与えたのか? ともあれ、ファーブルの昆虫記は単なる観察記録ではなく、自然の謎を追っかける壮大なミステリー文学であった。 鍵穴の青虫を見つけて数時間後、再び見にいってみるとその穴は土で見事に蓋がされていた。青虫に卵を産みつけ、蓋をしたのだ。 ![]() 土をこね粘土状にするには大量の水分が要る。蓋の周りにはその水分が沁みていた。 残念なのはハチが蓋をする作業を目撃出来なかったことだ。 ずっと巣穴を観察し続けていれば見れたものを、と思うが、只今展覧会直前、のんびりとハチを待っているわけにはいかなかった。 一体、何と言うハチなのだろう? 知りたかったが、巣穴の周囲にハチの姿は無かった。 さらに数時間後、ふと仕事部屋の窓を見るとハチらしきものが来て何かを物色しているようだった。一見してスズメバチやアシナガバチではない。 ひょっとして・・・と近づいてみると中型の細めのハチで狩り蜂の体型であった。 ![]() 全体は黒く、腹部にくっきりと2本の黄色い帯がありキリッとしたいい形だ。 図鑑で調べてみるとオオフタオビドロバチというらしい。 ![]() さらに詳しくオオフタオビドロバチについて調べてみると、 「♀は竹筒やカミキリムシの脱出孔、木材の穴など地上既存抗に泥で仕切りを作り営巣する。幼虫の餌としてメイガやハマキガなどの幼虫を狩り運び入れる。」 とあった。 ふむ、 玄関の戸に巣を作った本人ではないかも知れぬが、いづれにせよオオフタオビドロバチに違いなかった。 ここに住んで20年を過ぎたというのに、こいつのことを知らなかった。 いや、気がつかなかった。 巣の中で成長したこいつが泥の蓋を破って出て来るのは来春だろう。 出て来るところを目撃したいが、そのためには何日も一日中巣穴に貼り付いて観察しなければならない。 はっきり言って私にはそんな忍耐力も情熱もない。 おそらく見ることができるのは蓋に開いた穴だけだろうな。 そう思うと、改めてファーブルという人に驚く。 観察というのはとにかく時間と暇がかかる。 窮乏生活に耐え、一生を観察に捧げた。その情熱、忍耐力、飽くなき探究心はどれほどのものか? まあ変わり者であり、気違いであり、これほどの幸せ者もいないだろう。 なんかな、 素晴らしいんである。
by gorosuke85
| 2011-09-06 10:09
| 虫たち
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Comments(4)
ファーブル昆虫記、シートン動物記はガキの頃の愛読書でありました。
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昨日、漁港で買って来たアサリを塩水に浸けて、夕方薄暗がりの中その水を捨てようとすると、青く光っている。。。青がゆらゆらアサリの周りを揺れ広がる…なんでっ!!!良ーく観ると小さなホタルイカがアサリの中に詰まってる…なんでっ???
不思議さにドキドキしました。
ザブンさんも読みましたか。やはりね。
小生は大人になってから読みました。古い大人版をね。
mamma-yaさん。コメントありがとうです。
小さなホタルイカがアサリの中に詰まっているって、どんな状況なんだろう?ちょっと想像し難いね。ひょっとして、それ夜光虫の間違えじゃないだろうか?ともかく怪しくて不思議だ。見てみたいね。
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