草の短い平らなところ
ネジバナ(捩花)が群生していた。
ねじれた茎に巻き付くように小さな花が連なって咲いている。
くるくると螺旋階段のように上に上にと登っている。
実に不思議な花である。
何故こんなことになったのか?
なんだか我が人生のような形だ。
真っ直ぐにはいかない。
ひねくれ、ひねくれ
捩じれてくるくると回る。
回ってやっと素直というところに戻って来る。
しかし、またひねくれる。
そんな人生であったような。
上から見ると、右巻きにぐるぐると回っている。
左巻きもあるらしい。
年を重ねても同じところをぐるぐると回ってちっとも変わらない。
進歩というものがない。
しかし、横から見ると高さが変わっている。
同じようなことをやっていても深さが違っているのだ。
くるくると回りながらも、上へと向かっている。
螺旋という形が好きで
壷を作ってもそれに螺旋階段を付けたりもした。
何故好きなのか?
よく分からないが、
くるくる回りながら上に向かっているからだろう。
一直線にはいかない。
回りながら、
何度も同じ風景を眺めながら
限りなく、上という
未知の世界へ行ってみたいのである。