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今朝は早朝から雨がざんざと降っている。
ここ北陸能登地方は今が台風の通過だろう。 大型台風だと大騒ぎするので心配はしたものの、なんだか肩すかしを食らったな。 しかし、大雨には違いない。 でも、赤坊は大丈夫である。 我々が作った巣籠は台風に耐えられないだろうと対策を考えていたところ お寺(龍昌寺)の和尚、和樹さんが頑丈な巣箱を作ってくれた。 彼は寺の住職だが、木の感触を生かした家具を作る人でもある。 その場しのぎのような巣籠でアカショウビンが子育てをしている話を聞いて、それじゃあと、あっという間に作ってくれたのだ。 頑丈な作りでこれなら台風の風雨にも耐えるだろうと思えた。 問題は赤助たちが、慣れた巣籠と形も雰囲気も違うこの巣箱に来てくれるか? ということだった。 しかし、これからのことを考えると巣籠では心もとないわけで、この巣箱に賭けてみる価値はあった。 もし、これに近づかないようなら直ぐに元の巣籠に戻せばいい。 近づきやすいように巣箱の前に枝を取り付けた。 中には藁を切って敷いた。 ふむ、居心地は良さそうだ。 台風がやって来る一日前、昨日の早朝、赤助たちが活動し始める4時前に取り付け赤坊を移した。 (写真は明るくなって、赤助たちが周囲にいない時撮ったもの) さて、赤助たちの反応はどうか? 屋根裏部屋の窓からまんじりともせず、様子を見ていた。 予想通り4時半、赤子がカエルを銜えてやって来た。 昨夕と形の違う巣箱に戸惑うかと想像していたが、 案外すんなり巣箱に移動し、あの巣箱の前に取り付けた枝に止まったではないか。 そして囁くように鳴く。アカショウビンは喉で鳴くので餌を銜えたままで鳴くことができるのだ。 赤子に反応して赤坊も激しく鳴いた。 巣箱の前の枝から首を伸ばし入り口の穴に顔を突っ込んだが、穴越しには赤坊の口に届かないのだろう、餌を銜えたまま近くの枝に後退し、また巣箱へ。 それを二三度繰り返し、赤子はカエルを枝にバッコンバッコンぶつけ、それを自分で呑み込んで飛去った。 初回の餌やりは失敗だった。 しかし、新たな巣箱に赤坊がいることをしっかりと知ってくれたのだし、それが一番肝心なことなのだ。 大丈夫だと思ったら、急に眠くなって屋根裏の寝床で寝てしまった。 目覚めたのは8時、タイミングよく赤助が再び餌を運んで来たところだった。 咄嗟に写真を撮ろうとカメラを屋根裏に運び上げる。 まさか屋根裏から見ているとは気がつかないだろう、うまく撮れると思ったのだ。 今回はカエルではなく虫だった。 やはりすぐに巣箱に移動し、首を伸ばし穴越しに赤坊に与えようとする。 でも、届かない。 一旦、近くの枝に戻り、体勢を整えまた巣箱へ。 10回は往復しただろうか、 やっと入り口の穴に直に止まり体半分穴に突っ込んだ状態で餌を渡すことができたようだった。 その直後、赤助と入れ替わるように赤子がカエルを銜えてきた。 赤子も赤坊の口にカエルを入れるのに苦労していたが なんとかうまくいったようだった。 和尚が作ってくれた巣箱大作戦は見事成功したのだ。 その後、仕事にかかり見ていないが、赤助たちは定期的に餌を運んでいる様子だった。 赤助たちは餌を運んで来ると、赤坊に鳴いて知らせ、親が近づくと赤坊は激しく鳴いて反応し、餌をもらうと落ち着いて静かになる。 その光景を見なくても、鳴き声や気配で分かるのである。 赤坊のライフラインは安定している。加えて住処も頑丈になった。 数日後には展覧会で家を数日空けることになるが、 これで心置きなく出かけることもできる。 そうして翌早朝の今、雨がじゃぶじゃぶ降っているが、まったく心配ないのである。 降りしきる雨の中、まだ薄暗い5時前だが 赤助たちの声が聞こえる。 今日最初の餌を運んで来たのだ。
by gorosuke85
| 2014-07-11 04:52
| 鳥たち
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Comments(4)
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赤い子
at 2014-07-11 09:54
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わぁ、立派な巣箱!これなら安心、居心地も良さそうですね。
和尚さん、ありがとうございます(拍手) 一難去ってまた一難かと思いきや、 心配していた台風もたいしたことなくって本当によかったです。 災難に見舞われた赤ファミリーでしたが、 温かい人達に見守られて幸せですね… このまま順調に育って欲しいです。 背中のブルー、ばっちり撮って頂きありがとうございます。 もっとブルーかと思ってました ^ ^ ;
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gorosuke85 at 2014-07-11 11:45
赤い子さん、巣箱、赤助たちも慣れて来たようで一安心。
一難去ってまた一難。人生と同じだね。 背中のブルー、この写真は光って青く見えないけど、やはりカワセミのような青色です。羽根図鑑を見てもやはり、背中の一部分の羽根ですね。背中全体の赤の中に少しの青で、かえっていいと思います。
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赤い子
at 2014-07-11 14:15
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そうですね、ワンポイントぐらいが丁度いいですね。
新しい巣箱も気に入ってもらえてよかった、 きっと、赤助赤子も一安心で喜んでくれてると思います。 江崎さんも展覧会の準備のお忙しい中、ご苦労様でした。 展覧会、近かったら観に行きたかったで〜す。 先日、アカショウビンの営巣情報を頂いて、 朝4時半起床、車飛ばして1時間半、某山へ行ってまいりました。 営巣している木の周りにはすでにカメラマンさんだらけ… しかしその巣はすでに放棄してしまったようでした。 あれだけずっと囲まれると営巣できないでしょうね、可哀想に。 姿は観れずにでしたが、初めて鳴き声を生で聴けました。 声だけでも嬉しかったです ^.^
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gorosuke85 at 2014-07-28 09:31
赤い子さん、展覧会が終わったところ、コメント遅くなりました。
そうですか、カメラマンだらけというのは気持ちは分かるけどなんともね。 こちらもブログを読んでくれた鳥のカメラマンさんから撮りに来ていいかと問い合わせがありました。かなり遠くの人でしたが全く知らない人だったので展覧会があるからと断りましたが。 鳴き声はほんと美しいです。特にさえずりは山に響き渡りますね。 9月に鎌倉で展覧会があります。もし近くだったらおいで下さい。
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