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長い事中断して前に進まなかった仕事がある。 漢字図シリーズだ。 私は漢字が好きである。 特に、角数の多い、ややこしい漢字、字を見るだけでそれが想像できる漢字だ。 それで大版の版木に私の好きな沢山のものたちをズラリ並べて、それぞれの名を漢字で入れる。 それが漢字図シリーズだ。 海魚漢字図、川魚漢字図、鳥漢字図、野菜漢字図と作ったが、ここで中断である。 あと3つ作れば絵本になる。 野花漢字図、虫漢字図、動物漢字図である。 出版社も決まり、編集者も首を長くして待ってくれている。 特に編集者は昔から知り合いの有能な女性で、この本作りを楽しみにしてくれているのだが 前に進まなかった。 理由は色々あるが、私が元来の怠け者であるということ、それに尽きる。 諦めたわけじゃない。 とにかくこのシリーズを再開して絵本を作りたい。 昨年、犬を貰った事が切っ掛けで沢山の野花と出会った。 毎日、犬と散歩に出るのだが、折角散歩に出るのだからその間にひとつ、綺麗なものや不思議なもの、面白いものを見つけようと、歩きながら目を凝らしたのだ。 日頃気が付かない、目に入らない小さな野花たち、それらをしっかり見た。 道端の草の中で、見られる事もなくひっそりと咲いている小さな花たち。 小さいがひとつひとつ、渾身の力で空に向かって花を咲かせている。 その姿は美しく、感動もしたし励まされもした。 そしてそれらの多くを版画にした。 小版野花シリーズや「野花春」「野花秋」などである。 小さな名も知らないような野花たちを主人公にしたかった。 そして、これらの仕事の向こうにはいつも野花漢字図があった。 そうしてこの春、いよいよ野花漢字図に取りかかった。 沢山の野花の中から40種類をリストアップし、ひとつひとつのイメージ作りから始まった。 暮らしの周辺にある身近なもの、好きなもの、名前が面白いもの、それらを中心にリストアップした。 漢字図は大版の版木に40個が並ぶのだが、その配置がなかなかやっかいで、それが仕事だとも言える。 そうして大まかな下絵が出来上がり、いざ彫りが始まった。 しかし、いつもなら彫りが始まれば一気に彫り進むのだが、そうはいかなかった。 これまでの魚や鳥などと違って、野花は花も葉もあり、それが押し合いへし合い40種類並ぶわけで もう、私としては限度を超えるくらい細かい仕事なのである。 まあ、そんなことは面白くもあるのだが、ひとつ気になることがある。 これは是非入れておかねばならないだろうとリストアップした花の中に、ボンヤリ知ってはいるが私の身体にガツンと入って来ていないものが数種類あった。 その中のひとつがアヤメであった。 おっと、前置きが長くなっちまったが、ここからが今回のブログの本題である。 下絵の出来上がった版木を前に遅々として彫り進めないでいる私に 早朝の犬散歩から帰って来た連合いが道端に咲いていたと花瓶に指して作業机に置いてくれたのがアヤメだった。 いや、驚いた。 偶然というかグッドタイミングというか、 それ以上に、アヤメの美しさに圧倒されてしまった。 どこに咲いていたのかを教えてもらい、翌朝犬のカンちゃんとその場所に行ってみたのだった。 連合いの言うように、アヤメは道端の草の中に群生していた。 新緑の緑の中、その紫は圧巻だった。 驚くのはその小ささである。 私のボンヤリとしたイメージはもっと背が高く花も大きいのであったが、 それは菖蒲園にあるような、花菖蒲や杜若と混同していたのだ。 アヤメは水辺には咲かず、乾いた地面に咲くのであって、背丈は50〜60センチ、花も驚くほど小さい。 この小ささが野性的でとてもいいのである。 そしてその濃い紫、黄色と白い編み目模様、なんと艶やかなことか。 この艶やかさはジョロウグモと同じだと思った。 日本特有の派手さであり、江戸時代のあの遊郭の文化、花魁の艶やかさでもある。 こんな花が人知れず、道端の草の中に自生しているのである。 野花の美しさというのは、その清楚さ可憐さにあるのだが、 この花の美しさはそれとは違う。 もう、気味が悪いほど、美しさが前面に出ているのである。 いやあ、入って来た、入って来た私の中にどっとアヤメが入って来た。 さて、野花漢字図を進めよう。
by gorosuke85
| 2014-06-01 08:37
| 草花たち
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Comments(2)
小さいけれどすくっと立つ姿が気になっていましたがあの藍色がイマイチ好きになれませんでした。けれどこうしてアップで見るとけっこう艶やかですね。
ツボスミレを思い出しました。こっちはもっと清楚ですが。 完成、楽しみにしています。 追伸 高安犬、再読しました。小学校以来です。 チョット泣けました。
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Commented
by
gorosuke85 at 2014-06-09 11:07
ザブンさん、小生は野花の清楚さに惹かれるのですが、アヤメは好き嫌いを超えて圧倒されました。なんかね、凄いんだ。
高安犬物語、犬を飼っている人は一度は読んで欲しい本です。名作です。泣けます。ペットとしてではなく、犬と付き合うという事、共生すること、学びました。 野花漢字図、なんとか仕上げますよ。7月の金沢展で披露する予定です。
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