小さな流れのほとりに小さな白い花が咲いていた。
ハコベとタネツケバナである。
ハコベは春の七草の1つとして知られ、鳥の餌にもなる。
タネツケバナは稲の種を水に漬けて芽出しをする頃に咲くからこの名前がついた。
花の大きさは5ミリ程度、ほんに小さな花である。
つい見過ごしてしまうが、よく見ると可愛くて美しい。
誰に見られることもないだろう、こんな小さな花だが
毅然として、渾身で空に向かって咲いている。
その姿にいつも叱咤激励されるのである。
『春の野辺 小さな花に 励まされ』(ハコベ)
『種浸ける 頃になりしや 白い花』(タネツケバナ)
(タネツケバナ)