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釣りは物語だとつくづく思う。 釣りは一に場所、二に餌、三に腕、と言われるが その前に釣り師の執念とも言える情熱がある。 そして、その情熱に呼応する自然・・・・ 説明しにくいが、釣り師の情熱だけではなく、何か自然からの、向こうからの呼びかけというか・・・・ それがうまく重なる時、事件が起きるのである。 単なる偶然ではない。 なにか繋がった物語があるように思えてならないのだ。 物語には引きというか、予兆のようなもの必ずあって結末がある。 その予兆というか、符牒を見逃さないこと、感じること、大切かもしれない。 それはユングの言う 意味ある偶然の一致、共時性ということなのかもしれない。 さて、ふーちゃんと出かけた日の翌日は満月だった。 満月の夜はイカ釣りである。久しぶりに一人で出かけた。 海は凪ぎ、曇り空でボンヤリのお月さんだった。 恐らく凪のせいだと思うが、前夜ほどは釣れなかった。 しかし、でっかいヒットがひとつ。 その重さと強い引きといったらなかった。 なかなか浮いて来ない。強烈な生体反応だ。 寄せるのに腕の筋肉が痛くなった。 そして、足元に来た魚体は間違いなく昨夜の胴長25センチを超えていた。 モンスター・・・・ 心臓が高鳴った。 しかし、玉網を持って来ていない、抜き上げるしかなかった。 寄せる波のタイミングで抜き上げにかかったその瞬間、 フックの掛かりが浅かったのだろう、持ち上げる重さに耐え切れず スコン!とルアーは外れ、虚しく宙を飛んだ。 「あんりゃ!!!」思わず誰もいない海に叫んじまった。 イカは喜色満面、あざ笑うようにゆっくりと海へ帰って行ったのだ。 腰が抜けちまった。 この喪失感はもう少しでものになりそうな彼女に土壇場で逃げられちまったのに似ている。 釣りのリアリティは恋愛に似ている。 海に近づくに従って増々アクセルに力が入るのは、若い頃の彼女のアパートに向かっているのと同じようだ。 違うのは誰も傷つかないこと。 これが釣りが今ブームである所以かもしれぬ。 そして、明くる日。 降りしきる雨の中、こんな日に行くなんて呆れてものが言えんという連合いを尻目にまたまた出かけた。 海が呼んでいるのである。モンスターが呼んでいるのである。 もう誰が何と言おうが、雨が降ろうが槍が降ろうが行くしかなかった。 磯に立つとヘッドライトの中、小降りになった雨が踊るように海面に降り注いでいた。 誰もいない静かな海だった。こんな日に釣りをするアホはいないんである。 そんな海の正面へフルキャストの第一投だった。 ルアーが着底したのを確認して、そっと引いてみるともわっとしたイカの存在感。 ちょっと間を置いて合わせると、ルアーが動かない。根掛かりだ。 ルアーのロスト覚悟で思い切り引いてみるとゆっくりと動くではないか。 イカだった。それも相当デカイ。 ジィー!!ジィー!!とドラグが唸り逆転する。 一昨日の25センチでは鳴らなかったドラグだ。 その度にロッドが激しく首を振った。 どのくらい時間がかかったか、右腕の筋肉が悲鳴を上げそうになり、 そいつはゆっくりと海面に姿を現した。 思った通りモンスター級だった。 昨夜のやつか!!一瞬昨夜のことが脳裏をよぎった。 どうあっても昨夜の二の舞は避けたかった。 慎重に寄せる。慎重に。 左手で玉網をたぐり寄せ、引き延ばし、足元の海面に差し伸ばす。 そうなのだ、その日は玉網を持って来たのだった。 直径40センチの玉網にやつの巨体は入り切らないくらいだし、やつはこの期に及んでもジェット噴射で逃げようとする。 なかなかうまく入ってくれない。 焦る。バレるなよ。 なんとか身体半分入ったところで強引に玉網を持ち上げ魚体全体を収めたが、その瞬間、玉網の柄が重さに折れちまった。 あんららーー!! 焦りまくるが、なんとか折れた柄(折れたがかろうじて繋がっていた)をゆっくりと引きあげランディングに成功したのだった。 ヒットからランディングまでほんの数分だったろうが、長い時間だった。 煙草に火をつけ、磯の上に横たわった巨体を座って暫く眺めた。 こいつは親イカではない。今年生まれた新子のモンスターなのだ。 しかし、不思議である。 昨夜逃げられ、今夜再びモンスターに出会ったのである。 単なる偶然とは思えない。 何かが糸のように繋がっているという確信めいたものがあった。 「お前、昨日のやつなのか?」と聞いてみたが やつはそのでっかい目で私を見返すだけだった。 帰って計ってみると胴長30センチだった。うっひゃ~~!! 勿論、釣りを始めてからの自己記録である。
by gorosuke85
| 2013-11-03 07:58
| 釣り
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